小児疾患集

一般小児科診療をご希望の方 乳児期7~11か月

離乳食もはじまり、母と子の奮闘ですね(😿)。
愛着形成にとても大切な時期です。
移動範囲も広がり、誤飲や転落といった不慮の事故に注意が必要な時期です。

脳の成長も著しく色んなことができるようになり、いろんな人との心のふれあい、非言語性のコミュニケーションをとれるようになります。成長には児と養育者の心と体の健康維持が大切です。

① 食物アレルギー、アナフィラキシー

牛乳(ミルク)、卵、小麦が三大食物アレルギーです。その他、甲殻類やナッツ系が頻度としては多いです。この時期にアレルギーがあることを知らずに、抗原性の強い形態の食品を初回に大量摂取した場合に発症します。典型的には皮膚にかゆみをともなう紅色膨疹が出現しますが、範囲が広く顔面や粘膜までおよぶ場合はアナフィラキシーになります。

特に、咳や意識変容、嘔吐など主要臓器に異常をきたす場合は急速に重症化するため緊急受診が必要です。対策として大切なことは、アレルギー体質のある家系なのか把握しておくことや、新生児期からのスキンケア、初めて食べる時の体調と食べ物成分の確認、食べる量とその日時です。急にアナフィラキシーになった場合に休日夜間であれば治療介入までの時間がかかる可能性が高いため注意が必要です。

② 反復する風邪

この時期はお母さんからもらった免疫と自分でつくりはじめた免疫のバランス、ワクチン接種の効果と持続性、感染症に対する感受性により感冒症状を反復します。また、通園しはじめのお子さんも多く、たくさんの微生物にはじめて暴露されます。

気道をおそうじする能力も低いため、帰宅後は速やかにお風呂にはいり着替えることをおすすめしています。日々、子育てで大変なこの時期ですが、投薬や吸入・吸引、環境や生活スタイルの工夫を家族みんなでおこない、感冒症状が長引かないようにコントロールを行っていくことが大切です。中耳炎や肺炎といった続発症や合併症を反復し、入院歴も複数回認める場合は免疫力や、構造的異常がないか精密検査も必要です。

③ 中耳炎

2歳未満、ミルク栄養、早期からの通園、家族内喫煙が反復性、難治性のリスクファクターです。よく耳をさわる、不機嫌、熱が続く、鼻漏・鼻閉が続く場合は受診が必要です。投薬だけでなく、吸入や吸引はこの時期には特に効果的です。少なくとも2週間以上の長引く感冒症状のときには一度鼓膜チェックをしてもらいましょう。

④ アトピー性皮膚炎

食物以外にも外部環境には新しいものがたくさんあり、日々暴露されています。また、皮膚自体のバリア機能もまだ未熟なため、かゆみでかきむしると悪化します。
繰り返す感冒や食物アレルギー、乳児喘息との関連もあるため、皮膚の状態に影響を及ぼしている因子の把握とその対処、十分なスキンケアが大切です。

⑤ 発達の遅れ

この時期の発達は個人差が比較的大きく、家族の体質や生活環境、基礎疾患などにも大きく影響されます。親子の愛着形成においても大切な時期なため、育てにくさがある場合や身振り・行動・発達が気になる場合は相談してみましょう。

⑥ 遷延性下痢

感染性胃腸炎にともなう二次性乳糖不耐症が多い時期です。離乳食で初めて腸管にはいるものもあるため、下痢であったり便秘であったりする時期です。
体重の増加、発達、下痢の頻度と量、離乳食の内容、内分泌や消化管臓器を総合的に評価してもらいましょう。内服治療や特殊ミルク導入が必要な場合もあります。

⑦ 発熱、鼻漏、咳嗽、喘鳴

ヒブ、肺炎球菌ワクチン接種を行っているかどうかは大切です。ワクチン接種をしている場合は39-39.5度に達する高体温の場合でも合併症のリスクは低いことがわかっています。受診のタイミングは体温のグレードだけでなく、症状や身体所見を総合的に判断する必要もあります。ワクチン接種や健診のときなどに夜間・休日での発熱時の対応や観察項目を相談しておくことも大切です。

この時期の鼻漏、咳嗽は感染症によるものが多いです。RSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどは気管支炎や肺炎を起こしやすく、感染性喘鳴の原因にもなります。原因は単独のこともあれば、そうでないこともあります。アレルギー疾患としての乳児喘息も一定の割合認めます。咳嗽、喘鳴の原因は感染性なのか、非感染性なのか、はたまたその両者なのか、評価してもらいましょう。

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